介護保険制度って、そもそも何のためにあるんやろう?

先日、ピース&ピースでは第6回アップデート会を開催しました。

今回のテーマは、

「介護保険制度の理解 ~なぜ介護保険制度というルールが生まれたのか~」

です。

介護保険の研修というと、

「この加算はこうです」

「この場合は算定できます」

「このルールは何条です」

みたいな話になることが多いです。

もちろんそれも大事です。

ただ正直なところ、それだけではなかなか身に入りません。

眠たくなるんです。そんな話はお偉いさん達がたくさんして下さるのでお任せします

 

なので今回は、制度の細かい話ではなく、

「そもそもなぜ介護保険制度ができたのか」

という部分をみんなで考えてみました。

 

 3人に1人が65歳以上の時代

今の日本は超高齢社会です。

65歳以上の方は約3,600万人。

人口の約3割、つまり3人に1人が65歳以上です。

例えば、

「はい、日本国民全員集まってください。3人1組になってください」

と言ったら、必ず1人は65歳以上の方が入る計算になります。

また、3,600万人という人数は、スペインやカナダの人口に匹敵します。

つまり65歳以上の方だけで、一つの国ができるほどの人数がいるということです。

これから世界中で高齢化が進んでいきます。

だからこそ、世界で一番早く高齢社会に入った日本がこの超高齢社会をどう乗り越えていくのか。

介護保険制度をどう維持していくのか。

世界中が日本を注目しています。

 

みんなで支えようから生まれた制度

実は今から約30年前、介護保険制度はありませんでした。

当時は、

「介護は家族がするもの」

という考え方が当たり前でした。

しかし現実には、介護離職や介護疲れ、生活苦など様々な問題が起きていました。

病院も限界を迎え、治療が終わっても退院できない「社会的入院」も大きな問題になっていました。

そこで国は考えました。

家族だけでは無理。

病院だけでも無理。

国のお金だけでも無理。

だったらみんなで支えよう!

 

でも、支えるには当然お金が必要です。

そこで、

「さすがに半分は行政が負担しよう」

という話になりました。

国が、

「一番多い25%は俺が出そう」

県が、

「ほな12.5%出します」

市町村も、

「うちも12.5%出します」

そして残りの50%は、

「将来、自分も介護を受けるかもしれやんし、みんなで少しずつ負担しよう」

ということで、40歳以上の国民が介護保険料として負担することになりました。

つまり介護保険制度は、

国も。

県も。

市町村も。

国民も。

みんなでお金を出し合って、みんなで支える制度なんです。

これって実は世界的に見ても珍しい仕組みです。

 

介護の本当の目的とは

そして最後に、今回の研修で一番伝えたかったことがあります。

介護保険制度の目的は、

「お世話をすること」

ではありません。

「全部やってあげること」

でもありません。

介護保険制度の目的は、

『その人らしい生活を続けられるよう支えること』です。

100歳になっても畑を続けたい人がいます。

孫ともっと遊びたい人がいます。

自分の足で買い物へ行きたい人もいます。

ゆっくり家で過ごしたい人もいます。

幸せの形は人それぞれです。

だから介護にはマニュアルだけでは答えがありません。

大切なのは、

その人がどんな人生を送りたいのか。

何を大切にしているのか。

そこに寄り添いながら支えていくことです。

今回のアップデート会では、制度のルールを覚えるのではなく、その制度が生まれた背景や意味について学びました。

制度ができた理由を知ると、普段の仕事の見え方も少し変わります。

利用者様のために。

ご家族様のために。

働く自分達の

地域のために。

そして未来の私たち自身のために。

これからも学び続けながら、一人ひとりの「その人らしい生活」を支えていきたいと思います。